「アカイイト・アオイシロHDリマスター」の感想兼レビュー記事
自分はSwitchの特装版を買って遊びましたが、DL版を検討している人向けにゲーム単体でどうかという視点で書いています
本記事はあくまでも個人の感想・見解なのと、発売から時間が経っているため若干のネタバレ記述があることをご了承ください
【はじめに】
アカアオ間で物語の真相や解釈に関わるような繋がりは無いので、興味がある方だけプレイしても大丈夫です
ただ、アオは作中の会話にアカ関連の小ネタが出てきたり番外編にアカの後日談を含むシナリオがあるので、片方プレイだとそこに違和感を感じたり楽しめなかったりするかも
セーブデータ連動特典とかはないのでご安心ください
【アカアオ共通】
公式が百合ゲーと言ったり言わなかったりする本作ですが、あくまでも歴史や神話をベースにした「和風アドベンチャーゲーム」なので主人公と各ルートのヒロインが困難を乗り越えたり因縁に決着をつけたりするのが主な内容で、その中で2人の絆が生まれたり深めたりする過程に百合を見出すゲームという感じです
意味深発言や狙ったシーンももちろんありますが
EDも「その後の2人はこんな感じだよ」くらいの内容で終わるので、達成感はありつつもプレイヤーそれぞれの理想や解釈の邪魔をしない良い塩梅になっています
リマスター作品ってシステム面を強化したり新要素を追加したりと古参層にも新規層にも買って楽しんでもらうための努力をしている作品が多い中、アカは当時のままのシステムでクイックロード・セーブすら無いし、アオは当時あった未読文章や選択肢までのスキップ機能が削除されているなどPSPやvitaタイトル以下の快適性なのは残念ですね
両者でコントローラーの操作割り当てが違う部分があったのも遊びづらかったので、同じ機能は同じボタンに統一してほしかったです(アオプレイ中はジョイコンの設定を変えてました)
新規シナリオやOPムービーなどの追加要素も特に無いので、SwitchとPCで遊べる以外のセールスポイントが無いのはもったいないなぁと思います
既存素材で作れるムービーはともかく、アカもアオも中の人事情があるのでボイスに関わる部分は難しいんでしょうが…
某所のレビュー曰く立ち絵のリップシンクが劣化しているらしいですが、元を知らないのと今どきのアプリゲームじゃあるまいし全く気にならなかったです
発売直後の音声や動作などのバグはアプデで大体修正されていますが、オプションで設定を変えたはずの部分が勝手に戻っていたり稀に動作がおかしくなったりとベースが安定していないのかなと思う部分はありました
【アカイイト】
攻略制限があるので烏月→葛→サクヤ→ユメイ→ノゾミの順番で進めるのが制限解除と話の流れ的におすすめです
約20年前の作品ですが、キャラもシナリオもそんなことを感じさせないくらい魅力的で奥深いので今やっても十分楽しめますし、百合目線でも楽しめる一般向け作品みたいな作風なので直接的な描写が苦手な方でもやりやすいと思います
日本神話や歴史要素は作中や用語集で説明があるし、当時の考察や解説記事もまだ残っているので全く理解できないということは無いはず
文字がくっきりとして読みやすいフォントなのも良かったです
攻略制限の解除条件と一部エンディングの到達条件が細かいので、攻略サイト無しでクリアはかなり難しいと思います
当時のものを修正しなかったのかリマスター作業で発生したのか分かりませんが、誤字脱字が終盤の盛り上がるシーンに限ってあるのがちょっと残念でした
PS2版に注意マークがついていたくらい総出血量が多い本作ですが、葛ルートに動物を(お察しください)するシーンがあるのでそっちの方がダメって人がいるかもしれません
プレイ時間はどのくらい攻略サイトを利用するかと分岐図やED回収の有無によって幅が出ますが、20~25時間くらいでクリアできると思います
シナリオは神ゲーと言っても問題ないレベルなんですが、システム面を整えたり素材不足で演出が追い付いていない部分を補強してほしかったのと、欲を言えばPS2版発売当時に公開されていたweb小説やミニゲームなどをおまけコンテンツとしてゲーム内に入れてほしかったです
【アオイシロ】
こちらも攻略制限があるので保美→汀→カヤ→コハク→ナミ→グランド(大団円ルート)が解除条件的にオススメです
解除条件は「○○ルート〇日目まで進める」くらいに緩和されているので、EDや分岐回収をやっていれば自然と解除されていくはず
アカイイトは攻略サイトを見ないと制限されている部分が分かりませんが、こっちは分岐図の未読部分を表示できる機能があるので制限されている部分や現在どのEDに向かっているのかを見れるのがいいですね
誤字脱字も覚えている限りでは無かったと思います
シナリオは自分には合いませんでした
主な問題点はゲームカタログwikiで詳しく説明されているので省略しますが、話の長さやスケールの大きさの割に説明や描写不足で全ルートをクリアしてもいまいち理解できないところがあったり、特定のシーンやシチュエーションありきでキャラを動かしている部分が目立つのが残念
解説や考察を探そうにも、シナリオじゃなくて開発状況や「なんでこんな作品に…」的な記事ばかりだし
当時の発売経緯のせいで保美と汀ルートに攻略サイトに掲載されているものと到達条件が変わっているEDがあるのも面倒でした
こちらも攻略サイトの利用や回収の有無によりますが、大体30時間くらいでクリアできると思います
CGがアカの倍以上に増えたのでボイス付きコミックのような感じで楽しめるし、システムもアカよりは多少便利になってますが、正直これをやる時間とお金でシナリオもシステムも評価されている作品をやったほうがいいと思います
【まとめ】
シナリオだけをLDK風に評価するならアカはA評価、アオはDに近いC評価って感じです
時代遅れなシステム面と発売直後のバグの多さやシステムボイスの件含め納期優先過ぎる姿勢が残念
サクセスという会社自体本作で初めて知りましたが、今後アカアオに続く作品や自分好みの作品が発表されてもスルーか様子見かな(;´Д`)
本記事に合わせて過去の感想記事をいくつか加筆修正したので、リアルタイムな感想が見たい人はそちらもご参照ください